三番隊:参加者1名の戦争

戦争
それは、国、人種、地域、その他様々な
大きな集団の簡単に言ってしまえばケンカの事。

だが、その戦争を
たった一人で始めようとしている者がいた。


「・・・ハァ、ハァ、ハァ・・・」


自分の荒い息遣いしか聞こえない。
そんな静寂の中、彼ははただひたすらに
この戦いが早く終わる事を、
信じてもない神様とやらに願った・・・。


追っ手の霊圧を探ってみる。


さっきから自身の霊圧は極限にまで抑えているが、
そんなのが長く続くわけはないし、
なによりこれだけで「あの人」を出し抜けると
本気で思っているわけでもない。


「・・・っとに、冗談きついっつうに・・・」


何気なく出た独り言と共に頬を伝うのは、
久しぶりに見た自分の汗。
それを拭い、これからどうするかを考える。

事の始まりは、ほんの三時間前。
彼、三番隊隊長市丸ギンは、その三時間前の自分を呪った。



今日もいつもどうり彼は仕事を怠けていた。



ちなみに理由は、
彼の部下に宛てられた置き手紙によると、


「こないな、いい天気なときに部屋に篭って仕事なんかしてられへん」


だそうだ。(どんな天気の日でも彼は仕事をサボるのだが)

だが、彼の部下にとっては
「今日」は、「ただの今日」ではなかったようで、
必死(いつもの倍以上)に上司を探していた。


(・・・なんや、今日はいつも以上にしつこいなぁ?)


ぼんやりといつものサボり場の木の上で、考えていた市丸。
だがその考えも空しく、
ぽかぽかとした春の陽気に負け、
彼はうたた寝を始めてしまうのであった。



そのことに後々、非常に後悔する事になろうとは知らずに・・・。



「・・・!・・・っ!!隊長ってばっ!!起きて下さいっ!!」
「う・・・んぅ?なにぃ、何やの?」


せっかくいい気持ちで寝てたのに・・・。
と言えば、
それどころじゃないんです!!
と、普段はおとなしい彼の部下がかなり慌てて言った。


(副隊長ではないのが幸いだな。とかちょっと思った市丸)


追記しておくが、この部下は市丸のサボり場を
いくつか知っている数少ない者の一人である。
(全部ではないのが副隊長の悩みの種。だって、見つからないから)


「だから、なにぃ?」


たぎる部下を落ち着かせつつ、先を促した。

「隊長!覚えてないんですかっ?
今日は隊長、副隊長が集まっての
一年に一回の大集会じゃないですかっ!?」
「・・・あっ・・・」



大集会
その名のとおり、一年に一回の大きな集会。
現世で言うなら国会と同列に考えてもらったら
イメージしやすいだろう。
それで、どういう事かというと、
この大集会では「遅刻」や「欠席」など
絶っっっ対に、してはいけない事だったりする。




(大事な事を決めるんじゃから、あってはならぬことなのじゃよ?
by市丸が始めて出席した大集会での総隊長の言葉)


「・・・・・マズイ?」
「ものすっごくマズイです、隊長・・・」


隊員は隊長から目をそらした。
隊長は自分がしてしまった事の重大性に気が付いた。



「「・・・・・」」



嫌な狆沈黙が二人を包む。

――シュッ!!――


「あっ!!逃げたっ?!」
市丸隊長は逃げ出した。

冒頭に戻る。
(追っ手=一番隊×三番隊の隊員 あの人=総隊長)


「逃げ切れるとは、
僕自身思ってへんけど怒られるんは嫌やからねぇ・・・」


・・・ハハハ・・・。


と乾いた笑いが漏れる。
この状況も十分ヤバイが、
先に精神のほうがヤバイ事になってきたらしい。
(この状況だからか?)

自嘲の笑みどころか、この場で自分がしてしまった事に
大声で笑いたくなってきたのだから。


「・・・遅刻しただけで、
元十一番隊長はんが二度と遅刻しなくなったやろ・・・?
・・・どんな目にあったちゅうねん・・・」

噂(とかいて真実と読む)
では、剣八の前の十一番隊隊長は一度の遅刻をしただけで、
それからの大集会は誰よりも早く集合していたと言う。


・・・さまざまな意味で驚きだ。




「まるで、参加者一名の戦争やね・・・。
しかも、敗戦確実の・・・」




・・・えっ?
市丸隊長の続きが気になるって?
あー、
世の中には、知らないほうがいいってことが少なからずある。
と言う返答ではダメですか・・・?
あっ!もちろん。
それからの市丸隊長、大集会は遅刻も欠席もしなくなりましたから(笑)




後書き

市 何で僕のだけギャグなんっ?
羽 シリアスにしようとはしましたけど、続けてシリアスってのも。ねぇ?
市 ・・・その言葉、僕の目ぇ見てもう一回言ってみ?羽卯流ちゃん?
羽 無理ですv(超笑顔)
  でも、前の二つよりはうまくいったなって思ってますよ?
市 ・・・そうなん?
羽 はい!!セリフが少ない気はしますけど・・・。
市 ・・・もう、いい・・・



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